こんにちは! おちびです。
仕事やプライベートなど、私たちを取り巻く環境は色々な要因によって成り立っています。
もしこんな風に思う時間が増えていたら、ストレスによる メンタルヘルス不調 が起きている証拠です。
ストレスで情緒が不安定なったりイライラしやすくなる状態は、より深刻な病気になる前に あなた自身を守ろう と 脳が指令を出して 引き起こしているものなんです。
だからどうか、「悪いのは自分だ」「心が弱いからこんな風になるんだ」という考えから自身を解き放ってください。そうすることで、気持ちがいくらか楽になります。
今回は「仕事のストレス」をメインに、ストレスとは?メンタルヘルスとは?を解説をしていきます。
ぜひ、この記事を読んでいただき、メンタルヘルス不調について正しく理解していきましょう。
実を言うと私自身も、仕事をきっかけに軽いうつ状態になり、現在本業を休職中。
お仕事を休んでいる間にメンタルヘルスに興味を持ち、心の病気やメンタルケアについて勉強をはじめました。
現在は「メンタルヘルス・マネジメント検定」の取得に向けて勉強中!
目次
メンタルヘルスとは
メンタルヘルスとは、心・精神面の健康状態 のことを意味します。
主に精神的な疲労やストレス、悩みなどの軽減や緩和とそれらへのサポートを目的とした場面で使われる言葉です。ストレスと合わせて、最近よく耳にする言葉ではないでしょうか。
世界保健機構(WHO)では、「精神的に満たされた状態」が健康の定義とされており、単にカラダが元気でも心が疲れていては、心身共に健康とは言えないということです。
メンタルヘルス不調とは
メンタルヘルス不調とは、心の健康が脅かされている状況 を指します。
厚生労働省の「労働者の心の健康の保持増進のための指針(2006年)」によると、メンタルヘルス不調は以下のように定義されています。
精神および行動の障害に分類される精神障害や自殺のみならず、ストレスや強い悩み、不安など、労働者の心身の健康、社会生活および生活の質に影響を与える可能性のある精神的および行動上の問題を幅広く含むものをいう。
厚生労働省
上記のように、メンタルヘルス不調は 精神疾患だけでなく、ストレスなどの心の不健康状態も含んでいます。
心の病は増加傾向にあると言われています。そのため近年では、国を挙げて労働者のメンタルヘルス対策を推進しており、心の健康を守るために様々な活動が行われているのです。
ストレスとは
日々、私たちは様々なストレスに囲まれて生きています。
この ストレス とは一体何なのでしょうか?
ここでは、メンタルヘルスの観点からストレスの意味を説明していきます。
ストレッサーとストレス反応
個人にとって、心理的あるいは身体的負担となるような出来事を ストレッサー と呼びます。
ストレッサーには、以下の 4 つがあります。
- 物理的ストレッサー (騒音、高音など)
- 化学的ストレッサー (化学物質による刺激など)
- 生物的ストレッサー (細菌、花粉など)
- 心理社会的ストレッサー (人間関係など)
これらのストレッサーによって引き起こされる反応を ストレス反応 といいます。ストレス反応には、以下の 3 つがあります。
身体的反応 | 頭痛、微熱、動悸、胃痛、下痢、便秘、咳、腰痛、高血圧、めまい、不眠、 貧血、肩こり、息切れ、など |
心理的反応 | 集中力の低下、自信喪失、不安、イライラ、気力低下、抑うつ気分、怒りやすい、 忘れっぽい、楽しくない、今まで好きだったものに対して興味が薄れる、など |
行動的反応 | 過食、飲酒量が増える、喫煙量が増える、浪費、事故、仕事でのミスが増える、 欠勤・遅刻が増える、作業効率が落ちる、など |
これらのストレッサーとストレス反応を総称して「ストレス」といいます。
ストレスのメカニズム
ストレッサーとストレス反応の関係は、空気の入ったゴムボールを手で押すことに例えられます。手で押すことがストレッサー、ゴムボールが凹むことがストレス反応です。押す力が強かったり、押されている時間が長かったりすると、ボールは元に戻りにくくなります。この状態が ストレス関連疾患 です。
症状は、ストレッサーの強さや持続時間、ストレッサーにさらされる頻度や時期、受け止め方によって様々に変化します。
うつ病が発症するプロセス↓
段階的に現れるストレス反応
ストレス反応は 3 段階に分けて現れます。
第 1 段階は「警告反応期」
ストレッサーに反応し、不安や緊張などの急性ストレス反応を出します。
第 2 段階は「抵抗期」
警告反応期に受けたストレッサーに慣れてきて、一時的にストレスを乗り越えたように感じる期間があります。
そして第 3 段階が「疲はい期」
エネルギーを使い切ってしまい、抵抗力がなくなってしまいます。この段階になると、初期にストレス反応だったものは、うつ状態や不安障害などのストレス関連疾患となります。
ストレスによる健康障害
ストレスによる身体的な影響は、どのように引き起こされるのでしょうか。
そのメカニズムを説明します。
人がストレッサーに直面すると、それまでの経験に照らし合わせて 苦痛や負担の度合いが 大脳皮質 で認知・評価されます。この情報は 大脳辺縁系 へ伝達され、不安や不満などの感情を引き起こし、ストレスを軽減するための行動も引き起こします。
不安や不満などの感情を引き起こすのは 神経伝達物質 です。これらは意欲や抑うつ気分、活動性に関連しており、神経伝達物質の生成や伝達が阻害されると、メンタルヘルス不調が起こるのです。
さらに大脳辺縁系の神経細胞の興奮は 視床下部 に伝えられ、自律神経系・内分泌系・免疫系 のストレス反応を引き起こします。
これらの機能は、通常の身体活動を維持し生体のバランスを保つための系統です。
急性のストレスや持続的な慢性ストレスを受けると、自律神経系・内分泌系の機能は活発になり、反対に免疫系が抑制されます。すると、身体のバランスが保てなくなり 健康障害 が発生します。
これがストレス関連疾患にかかるメカニズムです。
主な精神疾患には、うつ病、躁うつ病、統合失調症、アルコール依存症、パニック障害、適応障害、睡眠障害などがあります。
メンタルヘルス不調のサイン
日々生活や仕事をしていて、多少のストレスは支障がなくても、ある日積もっていたストレスが一気に溢れ出し自分自身をコントロールできなくなる瞬間がやってくる可能性があります。
そうなってしまう前に、自身の体や心の小さな変化に気がつき、早めの対処をすることが大切です。
メンタルヘルス不調のサインと考えられる行動を以下にまとめますので、ご自身の最近の様子を振り返りながら自己チェックをしてみてください。
仕事の作業効率・生産性
- 不注意や判断力低下によるミスが増える
- 同じパフォーマンスをあげるのに今まで以上の時間がかかる
- 期限までに仕事が片付かない
仕事での様子
- 席をはずすことが多い
- そわそわして落ち着きがない
- ぼーっとしている
- 集中できていない
仕事の勤務態度
- 無断欠勤、遅刻、早退、病欠が多くなる
- 休日前や休日明けに欠勤が多い
身体状況・表情
- 顔色が悪い、表情が乏しい、生気がない
- 急激に痩せる、もしくは急激に太る
- 疲労感、倦怠感、不眠、食欲不振などがあらわれる
言動
- 身だしなみ・態度がだらしなくなる
- 常に考え事をしている
- せかせか、イライラしている
- 投げやりになる
- 口数が少なくなる、もしくは多くなる
- 涙もろくなる
- ネガティブ思考になりマイナスなことを口にする
対人関係
- 付き合いが悪くなる
- 周囲に対して疑い深くなったり、被害妄想的になったりする
- 人を避ける、人を怖がる
- 些細なことで他人に八つ当たりする、攻撃的になる
問題行動
- 飲酒量が増える
- 喫煙量が増える
- ギャンブル、衝動買い、借金をする
- 過食する
- 異性とのトラブルが頻発する
まずは自己診断でチェックしてみるのも手
「メンタルヘルス不調の兆候がみられるけど、わざわざ病院へ行くのは気が向かないな」と思ったり「身近に相談できる相手がいないな」と悩んでいたら、まずは簡単な自己診断でチェックしてみるのも手です。
自分一人で考え込んでいても、前に進むことは難しいですよね。
客観的に自分を見つめることができますし、単なる疲れだと思っていた症状が思わぬ精神疾患である可能性にも気づくことができます。
以下に、インターネットで気軽にできる診断をご紹介しますので、気になる方は試してみてください。
5 分でできる職場のストレスセルフチェック
こちらは厚生労働省が運営する「こころの耳」web サイトに掲載されている、働く人のためのストレスチェックです。全 57 問の質問に答えて、職場におけるストレス度を診断します。
日本では、平成 27 年 12 月 1 日にストレスチェック制度が施行されて以来、常時 50 人以上の労働者を雇用する事業所において 年 1 回労働者へのストレスチェックを行うこと が義務付けられました。
ですので、会社でこのストレスチェックを受けたことがある人も多いことでしょう。
5 分でできる職場のストレスセルフチェック は こちら
うつ度チェック 簡易抑うつ症状尺度(QIDS-J)
こちらの診断では、睡眠・食欲/体重・精神運動状態に関する全 16 問に答えていくことで、簡易的にうつ度がチェックできます。
選択項目によって点数が加算され、合計点が0~27点中何点かでその尺度がわかります。
うつ度チェック 簡易抑うつ症状尺度(QIDS-J) は こちら
"あなたの心が弱いから" ではありません。
自分が甘えているからいけないんだ...。
努力家で生真面目な性格の人ほど自分一人で問題を抱え込んでしまい、ストレス関連疾患を引き起こすことが多くみられます。
でも、心の病気になるのは "あなたの心が弱いから" ではありません。
"やる気・気合いが足りないから" でも、"自分に甘えているから" でもありません。
まずはその考え方を見直しましょう。
メンタルヘルス不調は、誰にでも起こりうる可能性があるもの です。
個人個人によって物事の捉え方やストレス耐性も様々ですので、どの程度のストレスでメンタルヘルス不調が起こるかはわかりません。でも、誰もがメンタルヘルス不調になる可能性があるのです。
もしも自分が「最近不調だなぁ」「なんだかいつもと違うなぁ」と、なんとなくでも感じていたらそれは 大事なサイン。そのサインを見過ごさずに、何らかの対処をしてみましょう。
そして「なぜ自分はストレスに負けてしまうのか」を考えるのではなく、まずは休養をとって「今後どう改善していくか」を、ゆっくりと考えていきましょう。