こんにちは! おちびです。
ある時、指先が針で刺されたようにチクチク痛んだり、しびれたりすることがありませんか?
この症状、「手根管症候群」という病気が原因かもしれません。
手根管症候群とは?
手根管症候群(しゅこんかんしょうこうぐん)とは、手根管(腱と神経が通っている手首内の管)の中を走る正中神経が何らかの原因で手根管内圧が上がり、圧迫されて引き起こされる疾患群のこと。
- Wikipedia
…なんだか難しい言葉が多いですが、これをかみ砕くと
・手のひらの付け根の骨と靭帯(じんたい)に囲まれた空間を手根管という
・この手根管の中を正中神経が通っている
・正中神経が何らかの原因で圧迫され、しびれや痛み症状が出るのが「手根管症候群」
ということです。
図の斜線になっている範囲がしびれたり、チクチクと痛む。
画像 : 明神館クリニック
症状の程度は様々です。
初期の頃は、人さし指や中指にしびれを感じ、進行すると親指にもしびれ・痛みが生じます。
中程度になると、親指〜薬指にかけての範囲が痛みます。小指に症状が出ることはありません。
これは、正中神経が親指〜薬指半分の 指 3 本半を支配するためです。
小指がしびれる場合は 肘部管症候群 という別の病気になります。
さらに症状が悪化していくと、肩や肘にまでしびれ・痛みを感じるようになります。
最終的には親指の付け根部分の筋肉が衰え、親指と人さし指で物をつまむのが困難になることもあります。
症状の特徴として、しびれや痛みが夜中〜明け方に起こりやすいと言われています。
原因は?
実は、手根管症候群の大半は突発性であり原因不明とされています。
ですが、調べてみるとかかりやすい特徴はいくつかあるようです。
仕事やスポーツで手を酷使している
重たい荷物を持つ人、パソコンを長時間使う人など手を酷使する人は症状が起きやすい傾向があります。
また、アメリカ労働省職業安全衛生管理局 (OSHA) による調査では、反復作業労働によって生じることが多いとの報告がなされているそうです。
妊娠・出産期や更年期の女性である
女性ホルモンの乱れによって腱鞘(けんしょう)のむくみが起こり、手根管の内圧が上がることで症状が現れると考えられているそうです。
女性の手のしびれでは手根管症候群がいちばんポピュラーのようですね。
家事などで手首を酷使することも要因のひとつと考えられます。
事故による外傷が影響している
事故などによって手首が強く圧迫されたり骨折をしたりして、正中神経が損傷を受けている場合に発生することもあります。
また、人工透析を受けている人にもよく見られると言われています。これは、アミロイドというたんぱく質が手根管内にたまりやすいためです。
セルフチェックの方法
ご自身の症状が手根管症候群であるかを確認する方法として、「ファーレン・テスト」というものがあります。
手のしびれは他の病気が原因で起こる場合もありますので、病気を見極めるため、まずはセルフチェックをしてみましょう。
図のように、胸の前で両手の甲を合わせ手首の角度が 90 度になった状態を約 1 分間キープします。
これで手にしびれが感じられたり、もともとあった痛みが強くなった場合は、手根管症候群であると判断できます。
画像 : 明神館クリニック
症状が疑われる場合
では、実際に手根管症候群の疑いがある場合はどのような対処をしたら良いのでしょうか。
まずいちばんにできることは、手を休ませること。
手の過度な使用を避け、できるだけ安静にしておきましょう。
突発性で手の酷使が原因と考えられるケースでは、安静にするだけで治ることがほとんどです。
また、痛みがあるときに手をぶらぶらと振ると、圧迫された神経が一時的に緩むため症状が緩和されます。
しびれや痛みが気になるときは、軽く手首を振ってみてください。
症状が続く・ひどくなった場合の治療法
安静にしても症状が治まらない場合は、病院へ行くことをおすすめします。
治療の基本は保存療法です。
手首を固定するため装具をつけたり、ビタミン剤・消炎鎮痛剤が処方されます。
手根管内注射などを打つこともあるようです。
進行がひどい場合は外科手術が必要となるケースもあるため、症状が気になる場合はなるべく早めに病院で診てもらうのが良いでしょう。