そんな、勉強に行き詰まっているあなたへ。
今回は、メンタルヘルス・マネジメント検定 Ⅱ 種 (ラインケアコース) に独学で合格した私が、ここだけは押さえたい!頻出内容&ポイント箇所についてお伝えします。
覚えやすいようイラスト画像も交えて解説しますので、ぜひ何度も目を通して知識のインプットにお役立てください。
第 5 章の内容
Ⅱ 種 (ラインケアコース) の第 5 章は、「労働者からの相談への対応」という題目です。
主に、以下の内容が出題されます。
- 相談対応の基本
- 早期発見のポイント
- 不調が疑われるときの対応 ・・・など
ここからは、テキストの項目に沿ってそれぞれ「ここだけは押さえたい」ポイントをまとめていきます。
必ず押さえる!頻出内容
相談対応の基本
メンタルヘルス・マネジメントを行っていくうえで、同僚や部下とのコミュニケーションはとても大切です。
そのため、基本的なコミュニケーションスキルについて心得ておく必要があります。
メンタルヘルスの観点だけでなく、仕事やプライベートでの人間関係の構築においてもとても役立つ内容なので、ぜひ実践的に身につけていきましょう。
コミュニケーションの大切さ
厚生労働省の労働者健康状況調査によると、労働者が抱えるストレスの第 1 位が「職場の人間関係の問題」となっています。
つまり人間関係の問題の多くは、コミュニケーションの齟齬などによって起きていると考えられるんですね。
しかし逆に言えば、職場の人間関係を良好に保つことで従業員のストレス発生を抑制し、業務のパフォーマンスを上げたり良い職場の雰囲気づくりに繋げられたりもできるのです。
管理監督者においては、部下が「相談しやすい」と感じられる環境をつくること、また、相談した時に「話を聴いてもらってよかった」と感じてもらえるような話の聴き方をマスターすることが大切ですね。
コミュニケーションの性質
コミュニケーションの性質は、大きく 2 つに分けられます。
道具的コミュニケーションと、自己充足的コミュニケーションです。
- 道具的コミュニケーション
相手に「何かをしてほしい」という気持ちから行うコミュニケーション。
また、業務を行ううえで道具となるコミュニケーションのこと。
例) 「この資料のコピーをとって」「報告書を作成しておいて」 - 自己充足的コミュニケーション
相手に何かを求めるのではなく、「話したい」「やりとりしたい」といった気持ちから行うコミュニケーション。
話すこと自体で満足できるため、自己充足的コミュニケーションと呼ばれる。
例) 「今日は天気がいいね」「最近、忙しそうだね」
コミュニケーションの手段
コミュニケーションをとる方法は色々ありますが、大きく分けると 2 つになります。
言語的コミュニケーションと、非言語的コミュニケーションです。
- 言語的コミュニケーション
言葉によるコミュニケーションのこと。
対面での会話、電話での会話、メールやメモなどの文書も含まれる。 - 非言語的コミュニケーション
言葉以外によるコミュニケーションのこと。
表情や態度、姿勢、声のトーンなどがこれにあたる。
つまり、PC を使って行われる会話では "他人から見られている" という意識が薄くなり、自分の感情に素直になりやすいのです。
最近では、リモートワークも一般的になってきましたから、電子メールやチャットでやりとりする場面も増えています。
同僚や部下とコンピューターコミュニケーションをとる際は、"相手が普段より主観的・感情的になっている状態" であることを理解しておくと良いですね。
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早期発見のポイント
メンタルヘルスケアを行うにあたっては、不調になるべく早く気づき、対応していくことが求められます。
ここでは、部下のメンタルヘルス不調を早期に発見するためのポイントを押さえていきましょう。
「いつもと違う様子」をキャッチする
「いつもより活気がない」「普段に比べて著しく身だしなみが乱れている」など、部下の様子からある程度は異変に気づくことが可能です。
しかしながら、「いつもと違う様子」をキャッチするためには、常日頃から部下のことをよく観察したり会話をしたりすることで、個々の特徴を捉えておくことが前提となります。
部下の仕事の様子や身体面に着目するのはもちろん、話し方や態度、休憩時の過ごし方など、幅広くアンテナを張って様子を見ておくと良いでしょう。
また、普段から部下とのコミュニケーションを密にとり、状況をしっかり把握しておくことが大切です。
観察している中で、もしも部下のいつもと違う様子が 2 週間以上続くようであれば、事業場内産業保健スタッフと連携するなど、何らかの対処が必要と思われます。
管理監督者であるあなた一人で問題を抱えずに、しかるべき相談先へエスカレーションするようにしましょう。
ストレス反応
私たちヒトという生き物には、自分にとって有害で危険な状況に遭遇した際に身を守るための防御反応が備わっています。
外界からのストレスを受けると、生体防御のために、自律神経系の働きによる様々な反応が起こります。
メンタルヘルス・マネジメント検定では、上記の「交感神経系」と「副交感神経系」それぞれの働きについて、その特徴を問う問題が頻繁に出題されています。
ぜひ、上図の内容を覚えておきましょう。
また、本人にも自覚されるストレスの現れ方には段階があり、低→中→高 の 3 段階で変化が起こるとされています。
ストレスの段階を把握することで、問題の深刻度を捉えることにもつながります。
不調が疑われるときの対応
最後に、部下に不調が疑われるときの対処法についてポイントを絞ってお伝えします。
上司として求められる役割
厚生労働省が 2006 年に発表した「労働者の心の健康保持増進のための指針」によると、「管理監督者は、日常的に労働者からの自発的な相談に対応するよう努める必要がある」などと定められています。
そのため、いつでも部下からの相談を受けられるよう、効果的な話の聴き方を身につけておくべきです。
また、管理監督者の重要な役割として、部下の「いつもと違う様子」にすばやく気づき専門家へ繋ぐというミッションがあります。
もし、あなたがメンタルヘルス不調を抱える部下から相談を受け「自分では手に負えない」と感じた場合は、産業医や保健師、人事労務スタッフなどの事業場内産業保健スタッフを頼りましょう。
そうすることで、専門家である事業場内産業保健スタッフが、事業場外の専門医療機関や相談機関などを部下本人へ紹介したり、職場環境の調整や担当業務の変更などに動いてくれます。
なお、メンタルヘルス不調によって職場が迷惑を被っている、もしくは本人の健康状態が心配されるため放置ができない状況にも関わらず、本人が精神科や心療内科といった医療機関の受診を拒否している場合は、本人の家族と連携する必要が出てきます。
できる限り本人の了承を得てから家族に連絡をとり、家族に受診の必要性を理解してもらったうえで説得に協力してもらいましょう。
危機対応
自殺や幻覚妄想状態など、緊急な対応が迫られるときの対応を危機対応といいます。
以下のような言動が見られる場合、それは自殺のサインであると考えられるため、早急に対処が必要です。
- 「死にたい」「生きるのが辛い」「自分には価値がない」などと口にする
- 「もう何も考えられない」「頭がパニック」などと強く困惑している
- 「仕事を辞めるしかない」などと追い詰められた状況を訴えている
- 自殺未遂をする、行方不明になる
対処の基本は、1 日でも 1 時間でも早く専門医を受診させること、それまでの間本人を 1 人にしないことです。
もしも職場で上記のようなサインを示す従業員がいる場合は、絶対に本人を 1 人で帰らせてはいけません。
一緒に帰宅したり、家族に迎えに来てもらうなどし、家族へは事情を説明して「本人から目を離さないように」と伝えましょう。
そして翌日、家族 (と可能であれば上司) が付き添って専門医を受診させるようにします。
診察の際は、本人の目の前でも問題ないので、医師に対して「自殺の危険を感じたため受診させた」と伝えましょう。
本来、従業員のメンタルヘルスに関わる情報は個人情報であるため、本人の了解を得て取り扱うのが原則ルールです。
しかしながら、自殺のサインが見られるような場合は、プライバシーの確保より安全と健康の確保が優先されるため、本人の了承を得られなくても必要な関係者にしかるべき情報を伝えて良いと考えることができます。
おわりに
今回は、第 5 章「労働者からの相談への対応」の中からポイントをまとめてお伝えしました。
それでは、合格目指して頑張りましょう!
\ 公式テキスト /
第 6 章「社内外資源との連携」については、こちら👇